所得税は、その年中に得た全ての所得を合計して課税する総合課税が原則ですが、土地・建物(資産)に
 関しては他の所得と総合しないで特別の課税方法により税金を計算する場合が多くあります。
 (分離課税の譲渡所得)
 自分の所有する土地に借地権や地役権を設定した場合、その設定の対価として受け取った権利金の額、
 敷金などから生ずる特別な利益の額が、その土地の50%(その設定が地下又は空間について上下の範囲
 を定めたものの場合は25%)を超えるときは、その所得は原則として分離課税の譲渡所得として課税されます。
 なお、50%又は25%の要件に該当しない場合は不動産所得となります。
  土地建物を売った場合には、その取得時期と譲渡の態様により区分して計算しますが、収入金額から
  必要経費として取得費及び譲渡に要した費用を差し引いて算出した譲渡益から、特別控除額及び他の
  所得から控除し切れなかった所得控除額を控除して得た課税長期(又は短期)譲渡所得金額が課税
  対象とされる金額です。
  譲渡資産の取得には実際の計算による取得費に代えて、次の概算取得費によることもできます。
その資産の譲渡収入金額 × 5% 概算取得費
  また、相続財産又は遺贈により取得(みなし譲渡課税の適用を受けたものを除く。)した財産を相続開始の
  日(被相続人の死亡の日と同じです。)の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの
  間に譲渡した場合には、実際の取得費又は概算取得費に、次の算式により計算した金額(譲渡収入金額
  から資産の取得費及び譲渡費用を控除した残額を限度とします。)を加算して譲渡所得を計算することが
  出来ます。
    なお、譲渡資産が土地等である場合には譲渡した土地等に対応する相続税額だけでなく、相続した
  土地全体に対応する相続税額が取得費に加算されます。
  分離課税の譲渡所得は、土地建物等で譲渡年の1月1日における所有期間が5年を越えるものの譲渡所得が
  長期譲渡所得となり5年以下は短期譲渡所得となります。
  一般の土地建物の長期譲渡による所得は、所得金額の多寡に関係なく一律20パーセント(所得税15%・住民
  税5%)の税率で課税されます。
課税長期譲渡所得金額 ×
15%(所得税)
5%(住民税)
税額
  公的用途や市街地再開発事業等のために、その年1月1日における所有期間が5年を越える土地を
  譲渡した場合の所得の税額は、次の軽減税率により計算します。
課税長期譲渡所得金額 ×
10%(所得税)
4%(住民税)
税額
課税長期譲
渡所得金額
2,000万円 ×
15%(所得税)
5%(住民税)
200万円(所得税)
80万円(住民税)
税額
  この税額軽減の対象となるのは、その年の1月1日における所得期間が10年を超える家屋または土地のうち
  、次の@からCまでに掲げる居住用財産に該当するものを譲渡した場合の長期譲渡所得です。











その年の1月1日
における所有期間
が10年を超える家
屋又は土地等のう
ち、右のいずれか
に該当するものを
譲渡した場合
@ その人の居住の用に供している家屋(その人の居住部分
に限り、居住用家屋が二以上ある場合は主として居住の用に
供しているものに限ります。)で国内にあるもの
A @に掲げる家屋でその人の居住の用に供されなくなった
もの(その居住の用に供されなくなった日から3年を経過
する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものに限
ります。)
B @又はAに掲げる家屋及びその家屋の敷地の用に供され
ている土地等(注)土地とは、土地及び土地の上に存する
権利(借地権など)をいいます。
C その人の@に掲げる家屋が災害により滅失した場合に
おいて、その家屋が引き続き所有していたならば、譲渡
年の1月1日において所有期間が10年を超える家屋の
敷地の用に供されていた土地等(その災害のあった日か
ら3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡
されるものに限ります。)
 この場合の税額の計算は、3000万円控除をした後の課税長期譲渡所得の金額に応じ、
 次の区分に従って行います。
課税長期譲渡所得金額 ×
10%(所得税)
4%(住民税)
税額
課税長期譲
渡所得金額
- 6,000万円 ×
15%(所得税)
5%(住民税)
+
600万円(所得税)
240万円(住民税)
税額
特例の適用が受けられない場合
1.  譲渡した相手方が@譲渡相手が配偶者及び直系血族、A譲渡者と生計を一にしている親族、B家屋
 の譲り受け後その家屋に譲渡者と同居する親族、C譲渡者と内縁関係にある者と生計を一にしている
 親族、Dその他譲渡者と特殊な関係のある個人又は法人である場合
2.  その譲渡について、固定資産の交換の特例や住宅の買換えの特例などの適用をうけている場合(住宅を
 譲渡した場合の3,000万円控除の特例は、この税額減税の特例と重複して適用することが出来ます。)
3.  その年の前年又は前々年においてこの税額軽減の特例を受けている場合
  その年の1月1日における所有期間が5年以下の土地建物等の譲渡所得については、長期譲渡所得に比べ
  高い税率で課税されます。
  土地建物の短期譲渡所得については、長期譲渡所得の場合と比べて重い税金がかかりますが、短期譲渡
  所得国や地方公共団体などへ土地を提供した場合の所得{分離短期の軽減所得}については、その他の
  所得{分離短期の一般所得}に比べて税金が軽くなっています。
  土地建物等の短期譲渡所得については、次の@又はAの区分により、それぞれの方式により所得税額及び
  住民税額を計算します。
課税短期譲渡所得金額 ×
30%(所得税)
9%(住民税)
税額
   土地等の短期譲渡が国や地方公共団体に対する譲渡など、次に掲げる譲渡に該当するときは、その
  譲渡による所得は@の一般所得に比べて税額が軽減されます。
軽減課税短期譲渡所得金額 ×
15%(所得税)
5%(住民税)
税額












国、地方公共団体及び日本郵政公社(その土地等が特定の業務の用に供される
ものに限ります。)に対する土地等の譲渡
独立行政法人都市再生機構、土地開発公社等及び地方公共団体の全額出資
により設立された民法法人で宅地や住宅の供給又はとちの先行取得を主たる
目的とするものに対する土地等の譲渡で、これらの法人の業務のために直接
必要と認められるもの
収用交換等による土地等の譲渡